参考書籍
管理人が愛読しているお勧めの書籍を紹介します。
購入までしなくても図書館で一通り目を通すだけで新しい知見が得られると思います。
■直翅目
バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑
●発売日:2006/09/25 ●著者/監修:日本直翅類学会 ●定価:50000円+税
国内の直翅目では最高峰の図鑑で国内直翅が網羅されています。
直翅目は標本にすると変色することが多いですが、
生きた個体を麻酔して撮影しているため色鮮やかな状態で紹介されています。
写真だけではなく全種に対して同定方法、解説、生息域について充実しています。
また、キリギリスとコオロギの代表種については鳴き声が収録されたCDも付属しています。
2006年刊行なのでアニジマイナゴなどの新種については紹介されていませんが、
この図鑑だけでほとんど事足りてしまうでしょう。
バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑
●発売日:2011/07/25 ●著者/監修:村井 貴史, 伊藤 ふくお, 日本直翅類学会 ●定価:2600円+税
大図鑑を簡易的にしたポケットブック版のような位置付けです。
ビニールカバーが付いていますので、汚れや摩耗に強くてフィールドでの携帯を意識して作られています。
同定方法や解説については省かれていますが生態写真が豊富に紹介されています。
一部の亜種については文章のみの紹介だけで、生態写真や解説がないのが惜しいですが、
大図鑑に比べて価格が抑えられていますので、大図鑑の購入に抵抗がある方はこちらの生態図鑑をお勧めします。
新訂版 琉球列島の鳴く虫たち
●発売日:2010/10/01 ●著者/監修:大城 安弘 ●定価:2500円+税
1986年に刊行された「琉球列島の鳴く虫たち」に新種・新説を追記して大幅にパワーアップした新訂版です。
タイトルに鳴く虫と題されていますが、バッタ亜目やウミコオロギなどの発音しない直翅もカバーされています。
トカラ海峡以南の直翅を網羅した図鑑で、ほぼ全種の生態写真(一部標本)と特徴・生態・体形・分布の解説があります。
飼育下での成長ステージ日数や、フィールドにて観察できた時期も書かれていて生活史の情報が充実しています。
とてもマイナーな種まで詳しく解説されているので、マニアな人にも新しい知見を得られるかと思います。
もちろん、初心者でも大変勉強になり、琉球列島で直翅採集する人には絶対にお勧めしたい一冊です。
ただし、自費出版のため一般の書店では取り扱っていなく、入手方法が限られています。
野山の鳴く虫図鑑
●発売日:2010/10/05 ●著者/監修:瀬長 剛 ●定価:5000円+税
関東地方や中部地方に生息する直翅昆虫の図鑑(絵本)です。
タイトルに鳴く虫と題されていますが、バッタ亜目やナギサスズなどの発音しない直翅もカバーされています。
季節と生息場所ごとに綺麗なイラストで紹介されていて、紹介文も詳細に書かれていることから、
長期にわたってよくフィールドでの観察と採集・飼育をされていることがうかがえます。
また、越冬場所も詳細に書かれていて、産卵場所など累代するうえで参考になる情報も多いです。
少し欲を言えば関東地方や中部地方だけでなく全国の種を対象にして掲載種を増やしてほしかったです。
孤独なバッタが群れるとき ―サバクトビバッタの相変異と大発生―
●発売日:2012/11/20 ●著者/監修:前野 ウルド 浩太郎 ●定価:2000円+税
モーリタニアでサバクトビバッタの研究に人生をかけているバッタ博士の学術書です。
博士の書いた学術書と聞くと堅苦しくて敷居が高いと感じるかもしれませんが、
この本は大変読みやすく、管理人もどんどん引き込まれていきました。
著者が昆虫に関わる経緯や考え方も書かれている読み物(昆虫記)となっていますが、
サバクトビバッタの生態観察と結果研究が詳細に書かれていて、
バッタの相変異について勉強するならこれ以上ない一冊です。
少し複雑な研究や専門用語が出てきていますが、昆虫について少し知っている人なら
読めるように噛み砕いた内容になっています。
■鞘翅目
世界のクワガタムシ大図鑑
●発売日:2010/12/20 ●著者/監修:藤田 宏, 水沼 哲郎, 永井 信二, 鈴村 勝彦 ●定価:45000円+税
今後これ以上の図鑑が出版されることがあるのだろうかというほどの出来前です。
世界中のクワガタが網羅されています。
標本と解説が別冊になっていて、どちらも充実しています。
標本写真に近似種との区別点が記載されているので同定にも困りません。
ギネス記録に関しては野外個体だけではなく飼育個体についても触れられています。
世界のカブトムシ大図鑑についてはまだ発売に見通しがついていませんが待ち遠しいです。
■昆虫撮影
デジタルカメラによる海野和男の昆虫撮影テクニック
●発売日:2012/02/24 ●著者/監修:海野 和男 ●定価:1600円+税
現行では唯一の昆虫撮影専門の実用書ですが、昆虫の撮影についてはこの一冊で事足りてしまうでしょう。
プロの撮影家が撮影機器の使いどころとシーンに合わせた撮影のコツを深いところまで紹介しています。
この価格でこの内容は技術を安売りしてしまっているんじゃないかと心配してしまうほど。
■有鱗目/無尾目
爬虫類・両生類800種図鑑
●発売日:1996/07/01 ●著者/監修:長坂 拓也, 千石 正一 ●定価:6602円+税
世界中の爬虫類と両生類から800種を選出して紹介しています。
網羅性のある両爬図鑑では初で長年バイブルとなっていました。
野外だけではなく飼育についてもカバーされていますが、
紹介されている種はメジャーな種類が多くてマイナー種は少ないので、
マニアな人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。
現在では廃刊になっているので入手するには古本を購入するしかなさそうです。
爬虫類・両生類ビジュアル大図鑑1000種
●発売日:2009/12/01 ●著者/監修:海老沼 剛 ●定価:4200円+税
爬虫類・両生類800種図鑑の後継のような両爬全体のバイブル的な位置付けです。
体表的な種や特殊な生態を持つ種を中心に1200種以上(亜種含む)も紹介しています。
生態写真や飼育ポイントが豊富で、それぞれの種に適した飼育タイプも明記されていています。
本書も現在では廃刊になっているので入手するには古本を購入するしかなさそうです。
爬虫類・両生類1800種図鑑
●発売日:2012/08/08 ●著者/監修:海老沼 剛 ●定価:6000円+税
爬虫類・両生類1000種図鑑の後継である爬虫類・両生類図鑑です。
亜種や品種を含めると実質2100種を越え、体表的な種やマニアックな種まで広くカバーしています。
これほど掲載数が多い爬虫類・両生類図鑑は他に無いのではないでしょうか。
種ごとに和名・学名・分布・大きさが記載されていて、生態環境・餌・飼育方法はアイコンで示してあり、
すっきりして見やすいのですが、何か一言コメントも入れて欲しかったです。
日本の爬虫類・両生類飼育図鑑
●発売日:2010/11/30 ●著者/監修:大谷 勉, 川添 宣広 ●定価:3200円+税
国内の爬虫類と両生類が網羅されて紹介されています。
飼育禁止種と有毒種以外はそれぞれ飼育ポイントが書かれています。
国内種を中心に採集と飼育をされてる方にお勧めの1冊です。