ヤエヤマクロギリス Paterdecolyus murayamai (Sugimoto et Ichikawa, 1998)
西表島と石垣島の中規模以上の原生林に生息しています。
ヤンバルクロギリスと同じく孵化してから成虫になるまで2年以上を要しますが、
成虫発生時期はヤンバルクロギリスよりも若干長いようです。
また、ヤンバルクロギリスよりもやや前後翅が発達していて体も1周り小さいです。
樹洞に潜んでいることが多く、林道上に出てくることはあまり多くありません。
ヤエヤマクロギリスの発生後期とヤエヤママルバネクワガタ発生前期が被るため、
ヤエヤママルバネクワガタ採集の際にヤエヤマクロギリスが見つかることが多いです。
孵化幼虫 (2012/04/27)
ヤンバルクロギリスより若干早く孵化します。
孵化から3週間程と脱皮直後は体色が薄く、食べた餌が透けて見えます。
クロギリスは乾燥を嫌いますが、孵化から半年は幼虫が小さくて脱水症状が起きやすいので、
マットを深めに敷いたり、小まめに給水するなど特に湿度に注意しなければいけない時期です。
若齢幼虫 (2012/05/22)
ニンジンを食べています。幼虫は警戒心が強いため食事中の撮影はけっこう難しいです。
若齢幼虫のうちは野菜や植物の葉も食べますが、中齢幼虫以降は肉食傾向が強くなります。
メス成虫 (2012/10/27)
左側の個体がヤンバルクロギリスで右側の個体がヤエヤマクロギリスです。
中齢幼虫のときまでは大きさに違いはありませんが、
老齢幼虫以降になるとヤンバルクロギリスよりわずかに小さくなります。