タイワンクツワムシ
Mecopoda elongata (Linnaeus, 1758)


 静岡県以南の太平洋側に生息していて、東京湾沿岸部でもたまに目撃されますが単発的です。
 丈夫で繁殖力も旺盛ですが、寒さには弱いようです。
 本州、九州南部、南西諸島でそれぞれ成長ステージに違いがあり、生息地の季候に適応していると思います。
 八丈島では1980年頃に観葉植物と一緒に移入されて、今では島内全域で普通に発見できます。
 クツワムシほどではないですが鳴き声が大きいため、飼育の際には防音対策が必要になる場合があります。
 捕食性はとでも低いですが、全く共食いをしないというわけでもなさそうです。
 数年に1度の頻度ですが、脱皮直後で動けない個体が食べられているのを確認しています。
 普段の食性は様々な植物を食べますが、特にマメ科とりわけクズを好みます。
 体も大きいので飼育する際はできるだけ環境を広くしたほうが良いと思います。
 また、体長の個体差が大きく餌が不十分だったり合わなかったりすると小型化することが多いです。
 羽化してから翌日〜数週間で体色が褐色に変化します。
 太陽光ライトを照射しますと1ヶ月ほどは緑色を維持しますが、最終的には必ず褐色型になります。
 管理人は緑色の維持ができないものか試行錯誤していますが、まだ成功に至っていません・・・。


生息環境 (2010/09/21)
写真は八丈島で幼虫を確認した環境で、茂みの奥に生息するため分け入って採集しました。
とても蚊が多い環境で、幼虫も草の根本付近に居ることが多かったため採集には少し苦労しました。
南西諸島で成虫を採集した際は、ダイトウクダマキモドキや各種モリバッタと共に、
林道沿いやクワズイモの葉の上にたくさん居たため、簡単に採集することができました。


幼虫オス (2012/03/16)
亜終齢幼虫になるまで管理人はクツワムシと区別できません・・・。


幼虫メス (2011/04/16)
多くの個体は羽化後に褐色へ変色しますが、たまに幼虫時代から褐色になる個体もいます。


成虫メス (2012/04/14)
脱皮はぶら下がって行うため、前もって足場を準備しておく必要があります。


成虫オス (2012/06/20)
羽化してから7ヶ月経った個体ですが衰えを見せずまだまだ元気です。
長寿な種で500日以上も生きたことがあるほどです。


成虫メス (2012/06/20)
オスは赤褐色や薄褐色に変色しますが、メスは暗褐色や黒化します。
褐色化後は体色が全然違うので、遠くからでも一目で性別の区別ができます。


卵 (2010/12/01)
産卵意欲が旺盛で数百個の卵を地中に産みますが、
土が無い場合はケースの隙間、スポンジ、植物の葉など様々な場所に産卵します。


成虫オス (2012/09/19)
愛知産のオスです。
南西諸島産のタイワンクツワムシより小さくて細いようで、
最初見たときはツユムシに近い印象を受けました。


成虫メス (2012/09/19)
愛知産のメスです。
南西諸島産はゴツいイメージが強いのですが、愛知産は華奢なイメージが強いです。
挙動や飛翔能力は南西諸島産と愛知産に違いは見られませんでした。


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