ハネナガキリギリス Gampsocleis ussuriensis (Adelung, 1910)
北海道全域に広く生息しています。
前翅の黒班は発達しません。個体によっては完全に消失していることもあります。
しっかりとは確認していませんが、黒班の発達具合はある程度遺伝するものと考えています。
たまに長翅型が発生し、長翅型同士を掛け合わせることで、より翅の長い個体を作出することが可能です。
採集や飼育は簡単ですが、孵化するまで2年以上要する卵もあるため長丁場になることがあります。
生息環境 (2010/06/29)
写真の環境は奥が原生林になっている人里で、良質な環境が保たれている草地では数多く生息しています。
幼虫は開けた草地に多くて簡単に採集できますが、成虫になると茂みに入るため捕りにくくなります。
成虫オス (2010/08/02)
他のキリギリスに比べて小型で翅先が腹部を越えます。
また、発音器が大きくて側面から見ると翅上部ラインが丸みを帯びています。
成虫メス (2010/07/23)
長翅型同士を掛け合わせている個体で、翅先は産卵管先付近まで伸びています。
幼虫メス (2011/07/15)
体色は保護色になっています。
稚内で撮影したものですが、この年は道北にて記録的な寒波が続いたため7月中旬にもかかわらず、
若齢幼虫しか居なく、数がとても少なかったです。
成虫オス (2012/08/11)
成虫は茂みのある場所に生息しているため観察はなかなか難しいのですが、
牧草地など開けた場所にも生息しているため、そこでは容易に観察できます。