カワラバッタ Eusphingonotus japonicus (Saussure, 1888)
北海道から九州の中流域の河川敷に生息しています。
もともと局地的で数も少ない貴重な種なのですが、河川敷の開発により生息地がごく僅かとなってしまい、
多くの都道府県でRDBに指定されています。
野外では植物の他に昆虫の死骸なども食べる雑食性で、飼育下でも植物質の餌ばかり与えていると共食いします。
生息環境 (2012/07/16)
小石がゴロゴロ転がっている川原に生息しています。
草地には生息していなく、追い掛け回しても草地には入りません。
カワラバッタは翅をはばつかせて中距離まで飛翔するのですが、この習性を利用して
カワラバッタを草地沿いまで追い詰めれば、着地場所が限られて捕獲が楽になります。
生息環境 (2012/09/09)
とても良質な環境が保たれている多産地で数百匹は確認できました。
交尾相手を探しにトノサマバッタやクルマバッタモドキも出てきていました。
また、昼夜問わずエゾエンマコオロギ(本州個体群)も鳴いていました。
幼虫メス (2012/06/23)
成虫と違って飛翔しないため採集は簡単ですが、隠蔽能力は幼虫のほうが上だと思います。
ジャンプしてくれないとほとんど見つけられません。
成虫メス (2012/07/16)
小石の上で日光浴をしています。
体色は保護色になっていて飛翔してくれないと発見は困難です。
また、飛翔後も着地場所をよく見ておかないと見失ってしまいます。
成虫オス (2012/09/09)
オスはメスより1周り小さくて複眼が発達しています。
写真では頭を高くしてメスを探していて、。メスを発見すると「ジッジッ」と誘い鳴きをしながら近づいて交尾を試みます。
しかし、オスをメスと勘違いすることが多く、「ジュジュジュ・・・」と争い鳴きになることもあります。
成虫オス (2012/07/18)
後翅は黒色と青色のツートンカラーで飛翔するととても美しいです。
また、飛翔筋が発達していて飛翔中の旋回も自由自在です。