ヤエヤマクチキコオロギ
Duolandrevus guntheri (Gorochov, 1988)


 コオロギ体型では国内最大の本種ですが体長に個体差が大きいです。
 同じ飼育方法で最大40mm近くから最小20mm程度にもなります。
 西表島と石垣島の森林内に生息していますが、昼間は朽木や樹皮の隙間に入っているので探しにくいです。
 夜間は幹に掴まって鳴いていますが鳴きの頻度はあまり多くありません。
 野生では成虫になるまでに1年を要しますが、成長速度は有効累積温度に左右されるため、
 飼育温度を高めることによって8ヶ月程度で成虫にすることができます。
 ただし、必要以上に飼育温度を高めると成長がバラつくことがあります。
 また、早熟は小型化する傾向が強いです。
 食性は広く飼料も食べますが、レタス、ナス、ニンジン、リンゴなど植物性の餌を中心に与えると調子が良いです。
 また、スポンジに水を染み込ませるタイプの給水場を設置すると、
 スポンジを食べてしまうことがありますので注意が必要です。
 糞は粘着性があり、他の直翅に比べて臭いがあります。食性がほぼ植物質なのに不思議です。
 少し乾燥に弱い傾向がありますので、気密性の高いケースに入れて湿度を安定させたほうが良いです。
 以上のことに留意すれば丈夫で長く楽しめる種です。


成虫ペア (2012/05/28)
メスがオスに乗って翅のつけ根にある誘惑線を舐めている間に交尾をします。


幼虫オス (2012/02/04)
成虫は褐色の傾向が強いのですが、幼虫は白と黒のコントラストが強い個体も居て別種みたいです。
熱帯魚フードはとても嗜好性が高いのですが、多く与えると突然死します。


成虫オス (2012/04/26)
写真では水平に脱皮を行っていますが、樹皮などに掴まって垂直になって脱皮することもあります。


卵 (2012/07/25)
大きさは3mm程度で、1匹のメスから150個程度の卵が得られます。
卵期間が1ヶ月〜3ヶ月と孵化するタイミングはバラバラです。
(わずかな外気温の変化によっても卵期間が大きく変わりますので、温度が安定した環境で保管するのが望ましいです)


孵化幼虫 (2012/08/21)
ゆっくりゆっくり成長していきます。


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