カラフトキリギリス
Decticus verrucivorus (Linnaeus, 1758)


 道東のオホーツク海沿岸部に生息しています。
 生息地の大部分が国定公園で採集が禁止されているため、
 採集に行く際は生息地と採集禁止区域を入念に確認する必要があります。
 産卵から孵化までに4年を要し、低温が必要となるため、その間の卵の管理に失敗することが多いです。
 ハマナスの実を食べることで知られていて、飼育下ではクズやギシギシなどの植物を食べます。
 レタスやニンジンなどの野菜や小型の蛾や蝶も大好物で餌には困らない食性の広い雑食性です。
 また、爪間盤が発達していないためプラケースの垂直面は登れません。
 ザラザラした足場でも登るのは苦手なようです。
 交尾も組み上げた足場を使用せずに地表で行いました。
 脱皮を成功させるにはかなり難儀しそうです。


生息環境 (2012/08/23)
幼虫はハマナス周辺に生息していて採集が困難でした。
成虫(特にオス)は開けた場所にも現れるので、採集する際は成虫を狙ったほうが良さそうです。


小清水原生花園インフォメーションセンター「Hana」のカラフトキリギリス その1 (2011/07/17)
カラフトキリギリスの紹介と生態写真が展示されています。


小清水原生花園インフォメーションセンター「Hana」のカラフトキリギリス その2 (2011/07/17)
地元の方が作成したカラフトキリギリスのぬいぐるみも展示されています。
<2012/09/22追記>
カラフトキリギリスのぬいぐるみは撤去されていました。
どうやら日本野鳥の会の施設に持っていったそうです。


成虫オス (2012/09/12)
褐色型は黒化の傾向が強いです。
鳴き声は「ジッ・・ ジッ・・ ジッ・・」と鳴き始めて、徐々にテンポが速くなり「ジキジキジキ・・・」と変化して鳴きます。
鳴き始めはイブキヒメギスに少し似ていますが、より鋭く音量も大きいので区別することができます。
野外では早朝からお昼頃まで鳴きますが飼育下では昼夜問わず鳴きます。
寿命は短くて飼育下でも10月上旬には死んでしまいます。


成虫メス (2012/09/12)
左に写っているのはヒガシキリギリスの大型個体ですが、
カラフトキリギリスはとてもゴツくてヒガシキリギリス以上の迫力があります。
産卵管は上の沿っていますが産卵方法は他のキリギリスと同様です。
オスは鳴き声で場所を特定できますが、メスはそうはいかないため採集は困難を極めます。
産卵意欲は高いのですが少し神経質で、人が見ている前ではなかなか産卵してくれません。
帰宅すると産卵中だったり産卵後だったりします。
オスよりも多少長寿で10月下旬ごろまで生きています。


メス成虫 (2012/10/29)
弱ったカワラバッタを捕食しています。
バッタは好んで捕食しますがゴキブリやトンボはなかなか捕食しようとしません。


メス成虫 (2012/10/26)
他のキリギリスと同様に地中に卵を産みます。
産卵数はそれほど多くないと思います。


卵 (2012/09/22)
ツシマフトギスに似ていて少し薄くて灰色です。


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